今回は「サビ頭」について書いてみます。
一般的な曲は「Aメロ」「Bメロ」「サビ」があり、
「イントロ」や「間奏」も加わって1曲が完成しますよね。
よくあるパターンとしては「イントロ」から始まり、
「Aメロ」「Bメロ」「サビ」と展開していく形です。
ですが、中には、いきなり「サビ」から始まる曲もあります。
こういう曲構成を「サビ頭」といいます。
ヒット曲の中にも多いパターンです。
サビ頭の利点とは?
「サビ頭」にする最大の利点は、なんといってもインパクトです。
曲の中で最も盛り上がる「サビ」を冒頭に持ってくることで、
リスナーにいきなりメインの部分を聞いてもらえます。
最近では、スマホやサブスクの普及により、
リスナーは興味を持つまでの時間が短く、
最初の数秒で「この曲を聴くかどうか」を決めてしまうケースが多くなっています。
そんな状況において、サビ頭は一瞬で惹きつける効果的な手法です。
サビ頭とイントロはどう使い分ける?
「サビ頭」と「イントロ」は、どちらも曲の冒頭で重要な役割を果たしますが、
それぞれ向いているシーンが異なります。
イントロは、ゆったりとした雰囲気作りや、ドラマチックな演出が必要なときに効果を発揮します。
映画のオープニング曲やバラードでは、イントロがじっくり空間を温めてくれることもありますよね。
一方で、「サビ頭」は瞬発力が勝負です。
短時間で惹きつけ、リスナーに「この曲は良さそうだ」と思わせたいときに有効です。
サブスクで曲が次々と切り替わる場面では、イントロでじっくりと始めるよりも、
「サビ頭」で聴き手を巻き込んだ方が効果的です。
どちらを使うかは、曲のジャンルや目的によって決めると良いでしょう。
例えば、ライブではイントロで空気を温め、サブスク向けの曲では「サビ頭」にして
瞬間的に心を掴むといった使い分けができます。
リスナー心理を掴む冒頭の工夫
サビ頭を採用する際は、冒頭の数秒間が非常に重要です。
サビでインパクトを与えることで、聴き手は「この曲の続きをもっと聴きたい!」という気持ちになります。
また、シンプルで覚えやすいメロディや、強いフックの歌詞を使うと効果的です。
さらに、冒頭にリズムの変化や予想外の音を入れると、聴き手の集中力を保ちやすくなります。
サビから始まる曲は、リスナーにとって「一気に盛り上がるクライマックス」と感じられるため、興味を持ちやすくなりますが、そのまま流してしまうと早々に飽きられるリスクもあります。
そのため、「先の展開が気になる仕掛け」を序盤に用意しておくのがポイントです。
音の抜き差しやテンポ変化など、ちょっとした工夫を取り入れることで、最後まで聴いてもらいやすくなります。
サビ頭を使う際の注意点
「サビ頭」はインパクトが強い反面、後半が弱くならないように工夫することが大切です。
最初に盛り上がった分、中盤から後半にかけての展開で「失速感」を感じさせないための工夫が必要ということですね。
たとえば、2回目以降のサビでは、転調や新しいハーモニーを追加して、さらに盛り上げます。
楽器を増やしたり、リズムに変化をつけることで、聴き手が最後まで飽きない構成にするのも良い方法です。
また、AメロやBメロを個性的にアレンジすることで、聴き手に「サビ以外も面白い」と思わせることができますね。
サビ頭は「曲の一番良い部分」を先に見せる大胆な手法ですが、
その後の展開にしっかりストーリー性を持たせることが、リスナーの心に残る曲作りのコツです。
サビ頭の作り方
「サビ頭」の作り方は人それぞれですが、オススメの方法は、
まず「Aメロ」「Bメロ」「サビ」の1コーラスを作り、
あとから「サビ」を頭に持ってくる方法です。
最初に一通り曲を作ってからアレンジを加えることで、「サビ頭」構成が自然に馴染むようになります。
また、いきなり盛り上げるだけでなく、サビのメロディだけを使って抑えめに始めるという方法もあります。
こうすると、徐々に盛り上がっていく効果が生まれ、特にメロディアスなサビに向いています。
「サビ頭」のあとは、そのまま「Aメロ」に進んでもいいですが、短い間奏を挟んで緩急をつけるのも良いですね。
まとめ
サビ頭は、瞬時にインパクトを与える強力な手法ですが、使い方を間違えると曲の後半で失速してしまうリスクもあります。
イントロとサビ頭の使い分けを意識しつつ、全体のストーリーを大切にすることで、
リスナーを最後まで飽きさせない曲作りができます。
「良いイントロが思い浮かばない」というときも、
サビ頭を試してみると面白い発見があるかもしれませんね。
ぜひ、一度あなたの曲にも取り入れてみてくださいね(^◇^)ノ
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