今回は「DTM上の、オーディオデータとMIDIデータの違い」について書いてみます。
DTMの進化と共に、今では多くの人が
パソコンやスマホ上で音楽制作を行っていますよね。
一昔前は、DTMで扱えるデータといえばMIDIデータが中心でしたが、
パソコンの性能向上とDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)の進化により、
オーディオデータも簡単に扱えるようになりました。
現在は、どちらのデータも制作に欠かせないですよね。
では、「オーディオデータ」と「MIDIデータ」は具体的にどう違うのでしょうか?
それぞれの特徴と、どんな場面でどう使うと効果的なのかを書いていきます。
オーディオデータとは?
オーディオデータは、歌や楽器演奏をそのまま録音した
「音声データ」です。
ボーカルやアコースティック楽器の演奏を、
そのままパソコンへ取り込むために使われることが多く、
データ自体が「音」です。
このため、MIDIデータに比べてファイルの
データ容量は大きく、楽器の音色や演奏表現もリアルです。
ただ、オーディオデータは、録音したものをそのまま使うので、
あとから音程やテンポを大きく変えたり、楽器の音色を差し替えたりするのが難しい場合があります
専用ツールを使えば、一部の修正は可能ですが、
和音も含んだ複雑なフレーズを、自分が思った通りに修正するのはなかなか大変です。
ですがその分、リアルな演奏感や表現力が魅力です。
ボーカルや、実際の楽器演奏をそのまま活かしたい時に適しています。
MIDIデータとは?
一方、MIDIデータは「演奏指示の信号データ」です。
音自体が記録されているわけではなく、MIDI対応の楽器やシンセに「この音を、このタイミングで鳴らしなさい」と指示を出すだけの情報です。
つまり楽譜のようなものですね。
情報だけなので、オーディオデータに比べると、データ量がとても小さいです。
楽器の音色やテンポも自由に変えられます。
MIDIデータの魅力は、この自由度にあります。
自分の表現したい音程、音色、リズム感などを、自由に作りやすいです。
ですが、その分、リアルな演奏表現には「打ち込み技術」が求められますね。
特に弦楽器などのニュアンスを表現するには、細かな設定やテクニックが必要です。
MIDIデータとオーディオデータの使い分け
現代の音楽制作では、MIDIとオーディオ素材を組み合わせるのが一般的です。
たとえば、ドラムパートにはオーディオループや素材を使い、
メロディやコード進行にはMIDIを使えば、
ドラムの高いクオリティを保ちつつ、メロディやコードは自由に作ることが可能になります。
特に、ドラムには音程が(ほぼ)無いので、
加工しづらいオーディオデータを使うには最適です。
オーディオデータは、すでに完成された音なので、
簡単に曲のクオリティを上げることもできます。
このように、オーディオデータとMIDIデータの長所を使い分けることで、
アレンジの幅が広がり、曲のクオリティも上がります。
オーディオデータ編集ツールの進化
オーディオデータ編集やピッチ補正機能は、どんどん進化して来ているので、
最近ではオーディオデータでも、MIDIデータのように、
音程やタイミングを修正できるようになりました。
たとえば、MelodyneやVariAudioなどのソフトを使うことで、
録音したボーカルの音程を細かく調整することが可能です。
以前は、録音後の音程修正は、アマチュアには難しいとされていましたが、
今では手軽に調整できます。
シンセの進化
MIDIデータで鳴らすシンセも、どんどん進化しています。
特にサンプリング系のシンセは、プロのレコーディングスタジオで録音されたサウンドを基に作られているので、とてもリアルな音が鳴ります。
これにより、MIDIデータでも、オーディオデータのような響きを作れるようになってきています。
MIDIデータとオーディオデータの境目が、
どんどん無くなってきていますね!
以上のように、オーディオデータとMIDIデータは、それぞれ異なる特性を持っています。
どちらが優れているかではなく、目的に応じて使い分け、
クオリティの高い作品を作ってみてくださいね(^◇^)ノ
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