今回は「ゴーストノート」について書いてみます。
ゴーストとは日本語にすると幽霊ですよね。
つまり、「あるかどうか分からないような音」のことです。
料理でいうところの「隠し味」みたいなものですね。
普段の演奏に微妙なニュアンスを加えることで、音楽全体がぐっと引き締まります。
では具体的に、ゴーストノートとはどういうものか説明していきますね。
ゴーストノートの基本
プロの演奏を聴いていると、「どうしてこのリズムはこんなに気持ちがいいんだろう?」と思うことがありませんか?
その答えの1つが、ゴーストノートにあります。
意識されないほどの小さな音が、リズム全体を豊かにし、グルーヴ感を支えています。
例えばドラムを思い浮かべてください。
基本のリズムなら「ドン、タン、ドン、タン」のように安定した音が鳴ります。
これにゴーストノートを挿入すると「ドン、ッタン、ッドン、ッタン」といった感じで、小さな音が入り、
リズムに細かな揺らぎが生まれます。
この小さな音が「ゴーストノート」です。
リズムの土台を支えつつ、演奏のグルーヴを向上させる大事な役割を持っています。
有ると無いとでは、音楽全体のノリがかなり変わります。
ゴーストノートは、ただの「おまけ」ではなく、音楽を活かす重要な要素です。
ギターでも同じです。
たとえば、軽快なカッティングギターを弾く時には、
ミュート音を加えて「ッッチャー、ッチャー」と演奏しますよね?
この「ッ」もゴーストノートです。
もしミュート音がなかったらどうでしょうか?
なんだかスカスカな印象になりますよね(笑)。
こういう「隠し味(隠れた音)」をうまく操れるようになると、音楽の「味付け」が上達します。
ゴーストノートを身につけるための練習法
ゴーストノートを意図的に使えるようになるためには、少し練習が必要です。
たとえばドラムなら、スネアの端を軽く叩き、通常の音とゴーストノートの音量差をつかむことから始めましょう。
ポイントは「音量を落とすこと」と「テンポを崩さないこと」です。
ギターならば、弦に軽く触れてミュート音を出しながら、テンポを保つ練習がオススメです。
リズムが安定することで、どの楽器でもゴーストノートが自然と馴染んできます。
特にメトロノームを使った練習はオススメです。
はじめは難しく感じても、繰り返すうちに自然にリズムに溶け込むようになります。
ゴーストノートは、生演奏だけでなく、DTMの打ち込みでも再現できます。
MIDIでゴーストノートを作る際は、通常の音符に比べてベロシティ(音の強さ)を下げ、小さな音にします。
また、音符のタイミングをわずかにずらすことで、リズムに自然な揺らぎを持たせるとリアル感がアップします。
ゴーストノートをうまく取り入れることで、
打ち込み音楽特有の「平坦なリズム」から脱却でき、
生演奏のような豊かな表情を持ったリズムが生まれます。
ゴーストノートの聴き分け方
ゴーストノートは微かな音なので、聴き取るには少しコツが要ります。
まずは好きな曲のドラムに集中して、スネアやハイハットの中に「弱い打音」がないか探してみてください。
慣れてくると、これまで聞き逃していた「隠れた音」が浮かび上がる瞬間があります。
ギターのカッティングにも耳を傾けてみましょう。
「チャッ、チャッ」としたリズムの裏に潜む微細な音が、実は演奏全体のリズムを支えています。
一度ゴーストノートを聴き取れるようになると、音楽の奥深さをさらに楽しめるようになりますよ。
まとめ
ゴーストノートは、リズムの補強とグルーヴ感を高めるための「隠し味」です。
ドラムやギターの演奏に限らず、DTMの打ち込みでも使えるこの技術は、
音楽全体のリズムを引き締め、豊かなグルーブ感を生み出します。
最初は、小さな音を意識して聴くのが難しいかもしれませんが、
練習を重ねれば自然に使いこなせるようになります。
「神は細部に宿る」という言葉もありますね。
ゴーストノートが生み出す、微妙なニュアンスを楽しみながら、
音楽を楽しんでいきましょう(^◇^)ノ